受講生
アボワールインターナショナル株式会社中村真由美
avoirについて教えてください。
私はかつて乳がんに罹患しました。avoir(アボワール)はその経験を活かしてつくった「おしゃれな」ブラジャーです。
そもそも乳がん手術をすると、以下のような現象が起きます。
・乳房の大きさに左右差がでる
・体型の変化による体調不良
・胸や脇に傷跡が残る
・傷のせいで腕が自由に上げられない
なので乳がんの手術を経ると、通常とは異なる専用のブラジャーをする必要があります。これらのブラジャーは機能的ではあるのですが、色はベージュしかないし、柄があるものだってひとつもありません...驚くほどおしゃれなものがないのです。
最近は乳がんの早期治療が啓蒙されてきたこともあるし、働く女性も増えていますよね。なので早期にガンを発見された方だと今日手術をして翌日からまた普通に働く、といったこともあります。しかし女性にとって下着は洋服と同様におしゃれでありたいもの。下着がおしゃれでないと元気が出てこないんです。
だからおしゃれなアイテムを探します。でも乳がん用の下着はいかにも治療しました、みたいなものばかりなんですね。乳がんというインシデントを頑張って乗り越えようとしているのに、気分を持ち上げるアイテムが見つからない。こんな状況を解決するためにおしゃれな下着を開発することにしたのです。
ただおしゃれなだけではありません。傷を隠すために脇を包み込むデザインにしたり、バストラインがキレイになるようにしたり、私も乳がんを経験して手術を経たからこそ、細かいところに気を配っています。
お客様の反応を教えてください。
販売はECがメインですが、京都には実際にお店もあって、こちらには全国各地からお客様がいらしています。
お客様には実際に「今までは同じ色しかなかったけど、カラーバリエーションが増えた」「ショーツとセットのものが買える」「諦めていた女性としてのおしゃれができるようになった」などの反響を頂いています。嬉しいですね。
あとは病院からの反応もいいんです。患者様から相談されるのですが、今まではいい回答ができなかったのですが、今は弊社の製品を薦められるようになりました。看護師さんやお医者さんもこのようなアイテムを待っていたんですね。
メッセージをお願いします。
乳がんになったからといって人間として、そして女性として終わるわけではありません。社名のアボワールとはフランス語で現在完了の”have”の意味で、ツライのはこれで終わり、という願いを込めています。前を向いて、おしゃれをして、輝いてほしいです。同じ乳がん患者として切に願っています。