APT Women ACCELERATION PROGRAM IN TOKYO FOR WOMEN

受講生

株式会社テーブルクロス 城宝薫

株式会社テーブルクロス城宝薫

社会貢献ができるグルメアプリ「テーブルクロス」の運営

テーブルクロスについて教えてください。

  • テーブルクロスは社会貢献ができるグルメアプリです。テーブルクロスで飲食店を予約すると、途上国の子どもたちに予約人数分の給食が支援できます。

    また成功報酬を採用している点も、既存のサービスとは異なる点です。今まで飲食店は広告を導入する時点で毎月の広告掲載料を支払っており、このモデルでは広告経由でひとりも来店しなくても支払いをしなくてはなりません。他方テーブルクロスは初期費用、月額利用料無料の成果報酬型モデルで、テーブルクロス経由で予約が入るとひとりあたり180円の広告費をいただく、というモデルです。この180円のうち30円が途上国の給食支援として寄付されます。飲食店としてはCSRにもなりますし、成果報酬なのは納得感があるようです。

ユーザーはどんな方が多いのでしょうか?

金銭的な負担がかからずに日常生活のなかでちょっといいことをしたいという方が多いです。これまで広告をかけたプロモーションを行ったことがないのですが、ユーザーは主に私自身が全国で行っている講演会経由で口コミやSNSで広がっています。
さらに、テーブルクロスにはファンクラブがあり月に1度のチャリティ飲み会をする運動を継続して行っています。北海道、関東、関西を中心に全国でチャリティ飲み会をすることで文化創りをみなさんと一緒に普及しています。

信頼関係があれば、メンバー間で切磋琢磨して組織はいい方向に向かっていきます。そして良い組織には行動変容が伴っています。行動変容は自己効力感があると起きるもので、ひとりではできません。ですから信頼関係を築くことがエンゲージメントにつながるのです。

給食支援なのはなんでですか?

ミャンマー、カンボジアやインドネシアなどの国々を回るなかで、「貧困」という課題を解決するためには教育が必要なのではないかという結論に至りました。しかし、途上国だと食べるために働いてしまうこともありなかなか学校に来ない子供も多いです。給食が無料で食べられるということになると、家族も学校に行かせる理由もあるし、実際に学校に来てくれるようになります。学校に来てくれて、文字の読み書きや社会のマナーを教えることによって、夢や目標の後押しができるのではないかと考えています。

事業を始めたきっかけを教えてください。

子供のころにインドネシアに行った際、人生で初めてストリートチルドレンを見ました。国が違うと同い年の友達が食べるために働いているのが当たり前で、衝撃を受けたことを鮮明に覚えています。そして、何かしないといけない、知ってしまった責任感があったため、幼少期から寄付やボランティア活動を積極的に行っていました。

そんな中、高校1年生のときにアメリカのフロリダ州へ行く機会があり、現地のNPOの方々の打ち合わせに同席をしたのですが「どうやって利益を生みながら社会へ貢献していくか」という議論をしていました。社会課題を解決する際、1度や2度の単発のイベントだけでは解決しないからこそ、継続した仕組みをつくることが気づいた人の役割だという話を聞き、私の意識は寄付やボランティアの活動にとどまらずに継続した仕組みをつくろうと思うようになりました。

そして大学生になって飲食店向けに広告代理店でアルバイトをしていたのですが、そこで毎月の広告費が高いという飲食店オーナーさんの課題に触れました。飲食店オーナーさんの経済的な課題を解決しつつ、さらに途上国のこどもたちの社会課題を同時に解決しよう、と考えて出来たものが今のテーブルクロスです。

今後の展開を教えてください。

チャリティ予約の文化創りを普及していきたいと思っています。
日本ではまだまだ寄付文化が普及していません。しかし、日本人に合った寄付モデルを創ることは民間企業の私たちができることだと思います。金銭的な負担がかからずに、日常生活の習慣のなかでできる寄付は、今後日本のなかで普及する可能性を秘めていると信じています。そして、近い将来「予約をすると誰かのためになっている」そんな文化を日本から創りたいです。

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