受講生
エイグローブ株式会社小粥おさ美
エイグローブの事業内容について教えてください。
エイグローブは、中小企業様に対して、メイド・イン・ジャパン商品の海外での販路を見つけるサービスを展開しています。また、販路開拓の過程で必要となるマーケティング活動やECサイトの運営、イベントの実施や翻訳等の多様なサービスも提供しています。お客様の業種は多岐にわたりますが、消費財や食品を取り扱う企業様が多いです。我々の本社が静岡であることもあり、日本茶の製造卸業約50社の総合海外窓口となっているのですが、昨今の日本食ブームの影響もあり、海外からのお問合せも多くいただいています。
我々は商社ではないので、中小企業様の商品に仲介料を乗せて海外へ販売するというビジネスモデルではなく、海外での販促イベントの企画・運営や、通販サイトの制作といった我々の支援メニューを収益源としています。というのも、インターネットの普及により、特に消費財等の輸出しやすい商材については、仲介料を乗せた金額で海外に販売するというビジネスモデルが成立しづらくなっているからです。一方で、日本の中小企業様は、言葉や商慣習の違い、心理的なハードルから、海外バイヤーと直接やりとりすることが難しいため、我々が海外販路開拓に関する多様なお手伝いをさせていただいています。
日本の小さな企業で作られた商品が、海を渡り、遠くの国で使われていると想像するだけでワクワクしますし、そうした支援をすることにとても喜びを感じています。
起業のきっかけを教えてください。
実は、何かきっかけとなる出来事があったわけではなく、需要があるから起業をした、というのが正直なところです。
起業以前は、通訳として海外の展示会へ同行していました。当時は、海外から商品を輸入するための通訳が多かったので、私から同行企業様に、「輸入だけでなく輸出も検討しないのか?」と長年働きかけていたのですが、当時輸出を検討される企業様はあまりいらっしゃいませんでした。しかしここ数年、特に営業をしているわけでもないのに相談や問い合わせが日々途切れなく入ってきます。これには様々な要因がありますが、ライフスタイルの変化による国内消費量の減少が、一つの要因だと考えています。日本茶の例でいうと、ペットボトル飲料の普及等により、一般家庭における茶葉の購入額が、10年前と比較して2/3程度にまで減少しているのです。
こうした背景から、輸出を検討する企業様が増え、海外販路開拓の需要が出てきたので、起業に至ったのです。
今後の展望を教えてください。
より多くの海外バイヤーに、メイド・イン・ジャパンの製品を見ていただけるよう、中小企業の輸出インフラとなるウェブサイトとして、「オンライン見本市(ウェブExpo)」の立ち上げを進めています。これまで我々は、海外でのイベント開催等、アナログ面での支援を行うことが主でしたが、こうした支援に必要な費用の捻出が難しい職人さんや中小企業様にも、費用をかけずに自社製品の海外での反応をみてもらいそのニーズに応えることのできる、そしてその先の販路開拓機会を創出したいと考えたのです。現在試行版を立ち上げており、約100社のお客様に登録いただいているのですが、今後3年間でこの登録企業を3,000社まで増やすことを目指しています。現在の海外バイヤー登録は1000人を超えており、3年後には1万人を目指します。