APT Women ACCELERATION PROGRAM IN TOKYO FOR WOMEN

受講生

コグニティ株式会社 河野理愛子

コグニティ株式会社河野理愛

「認知バイアスを取り除く」ためのソフトウェア開発

コグニティ株式会社が手掛ける「認知バイアスを取り除く」ためのソフトウェア開発について教えてください。

コグニティは、文脈構成の分類フレームワーク「CogStructure」を基盤技術として、人の思考やコミュニケーションにおけるヌケモレ・偏りを判別、指摘できる技術とサービスを提供することを目指しています。

CogStructureは、50年前のイギリスの認知言語学者Steven Toulminが発表した学術論文をベースに、コグニティが独自に拡張開発したものです。創業時の2013年にペーパープロトタイプを使って、300件のスピーチや動画、Blog、政府レポートなど様々なネット上のコンテンツに対する分類実験を行った末に、人間の思考フロー・情報構成を100%分類・見える化できるルールを確立しました。

CogStructureは人工知能分野の中でも、Knowledge Representation(Ontology等の領域)と呼ばれる研究領域に位置付けられており、現在の人工知能技術の中で一般的なアプローチよりも上流部分のアプローチを取っています。

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これまでの5年間でCogStructureに変換した7,000コンテンツ以上のデータを使い、セールストークや面談のトーク構成を比較・自動診断する「UpSighter(アップ・サイター)」を展開しています。UpSighterは、これまで2年間で80社を超える企業様へ導入いただき、経営課題の見える化や研修・指導の効率化に使っていただいています。

起業のきっかけを教えてください。

コグニティでの起業は、19歳のときに続き2回目です。1度目もつらく苦しいことがたくさんありましたので、二度と起業なんてしないと思いながら、7年ほどメーカーやIT企業でも働いていました。

しかし、どの転機も「しばらく同じことについて、行き詰まっている」という自分への危機感が、環境を変えるきっかけだったのだと振り返っています。もっとやりたい、もっとやれるはず・・・そんな思いに対して全力で取り組んできたつもりですが、自分がコントロールできないことを要因として、自力の工夫の余地がなくなったとき、今回残った選択肢が「もう一度起業して試してみる」ことでした。

業の内容こそ大きく違いますが、1社目の起業も、サラリーマン生活の中でも、追い求めていたテーマは「科学技術で、より合理的な社会にしたい」というものです。つらく苦しい起業であることを認識しているからこそ、自分が考えうる一番難しい課題に挑戦してみたい、という思いで立ち上げました。

今後の展望を教えてください。

コグニティを、たくさんの人に働いてもらえる、大きな会社にしていきたいと考えています。今はまだやりたいことの序章でしかありませんが、今年からの海外展開も含め、多くの企業様・関わる人達に期待と応援をしていただける企業に成長することが目標です。

人の思考限界・認知バイアス(先入観や近視眼的思考、固定観念など)を技術でサポートすることは、争いや妬み、後悔を減らせるはずと信じています。私が「考えうる一番難しい課題」としての、認知バイアスに対するコグニティのアプローチについて、世界へ一緒に広げていける仲間も募集しています。

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